学生アスリートにも報酬を 選手対NCAAの裁判始まる

スポーツの名門校には将来性のあるスター選手が在籍していることもあり、ホームゲームなどはビッグイベントに。観戦チケットの売上も莫大で、大学の大切な収入源となっている


 学生アスリート(スポーツ選手)の画像などが商業目的で使用された場合、選手へ報酬が支払われるべきであるとして、元カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校(UCLA)のバスケットボールスター、エド・オバノン氏を中心とする現役および元選手らが、全米大学競技協会(NCAA)を相手取り、同州オークランド市の連邦地方裁判所に、独占禁止法に基づく集団訴訟を起こしており、その審理が、9日から開始された。
 オバノン氏は5年前、学生フットボール選手やバスケットボール選手の名前や写真、イラストが、ビデオゲームなどの商業目的で使用されていたとして、NCAA、学生スポーツ選手ライセンスカンパニー(CLC)、米大手ビデオゲーム・コンピューターゲーム開発・販売会社のエレクトロニック・アーツ(EA)を相手取り、訴訟を起こしていた。
 原告とCLCおよびEAとの間では先月、4000万ドルの和解が成立したが、NCAAに対しては、学生スポーツ選手が報酬を得られるよう、アマチュア規則を変更することを求めたため、話し合いがつかぬまま裁判の日を迎えた。
 NCAAは、学生選手に報酬を支払うことになれば、高額なチケット代を設定する必要に迫られ、資金のある大学が優秀な選手を独占するという事態が起きると主張している。