中国人富豪が慈善活動 現金未払いにホームレスは憤慨

 江蘇黄埔再生資源利用有限公司の代表で中国の大富豪、陳光標氏(46歳)が25日、ニューヨーク市内のホームレス約200人を、マンハッタン区セントラルパーク内にある高級レストラン「ローブ・ボートハウス」でのランチに招待。異例の“もてなし”を、各メディアが大きく取り上げた。
 同氏は先週、「中国の著名慈善家が貧困に苦しむ米国人をランチに招待し、ひとり300ドルの現金を支給する」と明記した全面広告を、米紙ニューヨーク・タイムズに掲載した。だが、この企画に協力した団体「ニューヨーク市レスキューミッション」は、ホームレスの多くがアルコールやドラッグ乱用の問題を抱えており、多額の現金を渡すことには反対だと説明。同氏は現金を配る代わりに、9万ドルを同団体に寄付する旨を表明していた。
 これを受けイベント当日、団体の代表が「新聞広告は誤表記だった」と説明するも、300ドルを受け取れないと知ったホームレスらが憤慨し、「騙された」「我々を自分の宣伝に使った」「お金はどこにあるのか」と口々に声を上げて怒り出す騒ぎとなった。
 それでも陳氏はホームレスを前に、自分が素晴らしい慈善家であることを宣伝するスピーチを述べ、音のはずれた「ウィ・アー・ザ・ワールド」を熱唱するなど上機嫌であったという。