先日、特大サイズのソーダ禁止条例案が無効になったニューヨーク市では、市民の肥満を防止し健康を維持することを目的に、2006年からレストランなど飲食店でトランス脂肪酸の使用が禁止されているが、このほど発表された最新の調査報告によると、トランス脂肪酸禁止条例の実施以降も市民の肥満率は低下していないことが判明した。
同調査では、トランス脂肪酸使用禁止条例の実施前・実施後の市民の肥満指数(BMI)を、調査対象者の自己申告による身長と体重から算出し、分析した。
その結果、市内全5区において条例が実施される以前の05年と、実施以降の08年〜10年を比較しても、市民のBMIは減少していないことが判明したという。それどころか、マンハッタン区を除く4区においては、肥満率が上昇していた。
なお、性別や人種・民族ごとにみた場合も、トランス脂肪酸禁止条例と肥満率に関連性は認められなかった。
10年発表のデータによると、米国における20歳以上の成人のうち33.8%(7800万人)が肥満であった。30年には、これが42%に達する見通し。