HIV・エイズの撲滅へ NY州が検査、追跡、治療を拡大

HIVウイルス(©dream designs)


 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、毎年6月に設けられている同性愛者の権利向上啓発週間「プライドウイーク」に合わせ、HIVおよびエイズの撲滅計画について発表した。同計画は、検査、追跡、治療を拡大し、患者数をまん延レベル未満まで低減することを目標とするもの。
 現在、同州では毎年約3000人が新しくHIV、またはエイズと診断されているが、同計画により20年までにはこれを750人にまで減少可能であるという。実現すれば、1981年に初めてHIVについて広く報道された時の患者数を下回ることとなる。
 同州保健局は治療の幅を拡大するため、HIV薬を製造する3つの製薬会社と協議を重ねてきた。また、容易に検査を受けられるように制度を改善し、患者が治療を継続しているかどうかの追跡調査方法の変更、感染危険度の高い人々への予防薬の摂取強化も行う。
 同計画にかかる費用は明らかにされていないが、患者数が減少することで同州の医療費補助額は大幅に削減でき、20年までに3億ドル以上の予算削減が望める。
 また同州では、検査の質の向上および迅速化、コンドームへのアクセスの容易化、援助運動などにより、新しくHIVに感染した患者は過去10年間で40%減少しているという。