ニューヨーク市独立予算局がこのほど発表した報告書によると、市内の監視カメラが検挙する交通違反の罰金総額は、警官が検挙する罰金総額を大きく上回っていることが分かった。
同報告書によると、監視カメラはスピード違反や信号無視、バスレーンの走行の3つの違反を捕えており、2015会計年度には交通違反の予想罰金総額6250万ドルの80%にあたる、約5000万ドルがこれによるものになると推定している。この数値は前年より増加しており、14会計年度は全体の75%、5530万ドルであった。
一方、警官による交通違反の検挙数は減少しており、今年度の罰金総額は1260万ドルと、02年度以来もっとも低い数字になることが予想されている。
同市では歩行者交通死亡事故の増加を防ぐため、交通事故撲滅対策「ビジョン・ゼロ」を進めており、監視カメラによるスピード違反と信号無視走行の検挙は同対策の要の役割を期待されている。
監視カメラについて同市交通局の担当者は「カメラの設置効果は数字に表れており、初めて設置された1993年以来、カメラ1台が1日平均31件の信号無視を検挙していたが、現在は平均8.7件へと大幅に減少している」とその効果を強調している。