開発ラッシュのロウワーマンハッタン 求人の多くは低賃金

 ニューヨーク市のロウワーマンハッタンでは新たなショッピングセンターやホテルなどが新たに進出しており、経済的には好調なすべり出しを見せている。
 これに伴い同地域での求人は増加しているが、その多くが飲食店の従業員や小売店の販売員など、ニューヨーク市の最低賃金を若干上回る賃金で僅かなベネフィットしか付かないパートタイム職であることが、最新の調査から判明した。
 同地域の調査・支援団体「ダウンタウン・アライアンス」の調べによると、2005年以降に同地域では新規で1万6000件の求人が発生しており、その半数以上が過去2年間に集中しているという。
 一方、同時多発テロとその後のリーマンショックで失われた職、5万8000件までには届かないものの、新たなオフィスの移転などによってその差は急速に埋まるものと見込まれている。
 ただし新規求人の多くは低賃金職で、例えばブルックフィールド・プレースにこのほど開業したハドソンイーツ・フードコートでは、従業員の時給は通常9ドル〜10ドル。「この時給では生活できない」と訴える従業員は多いが、雇用主側も「必要なスキルを持つ人材が集まらない」と言っており、求人件数の増加だけでは経済全体の回復は難しいという現状が浮き彫りとなっている。