連邦議会行政監査局(GAO)が行った調査によると、偽造した身分を用いてでも医療保険制度改革法(オバマケア)の医療保険に加入できるということが、このほど明らかになった。
23日の歳入委員会の公聴会に提出された報告書によると、GAOの捜査官が偽名を使いオバマケアの保険への加入を試みたところ、18回の内11回成功したという。偽名以外にも、無効な社会保険番号、虚偽の国籍、補助金受給資格範囲を超える収入金額等を使って申請が行われた。
オバマ政権は、医療保険サイトに組み込まれた適正チェックにより、捜査官による偽の申請を6件阻止したと主張しているが、GAOはそれでも抜け穴を探し、結果的に加入できたと切り返した。歳入委員会のデイブ・キャンプ委員長は、「オバマケアは、機能不全、無駄、詐欺の可能性で溢れている」と非難した。
下院共和党議員はこれまでに、同法の廃止又は規模の縮小を求め50回に及ぶ投票を行っている。政府保険医療報道官アロン・オルブライト氏は、「報告書の内容を慎重に検討し、GAOと共に本人確認手続きを強化する方法を確認したい」と語った。
同調査によりオバマケアの潜在的な弱点は明らかにされたが、政府の補助金は保険会社に直接支払われるため、同制度を悪用して実際に利益を得ることは容易でないと考えられる。