NJ州、補償金15万ドルで和解 おとり捜査官の飲酒事故

 ニュージャージー州検事総長事務局はことし5月、2009年に同州警察当局のおとり捜査官が飲酒運転で事故を起こし起訴された件で、事故に巻き込まれた男性に15万ドルを支払うことで和解に達した。
 ニュージャージー州カムデン郡在住のクレイトン・タンクスリー氏は当時、高速道路を走行中におとり捜査官ウィリアム・ビリングハム容疑者の運転する車に後ろから追突された。しかし、事故現場に現れた警察官は、同容疑者にアルコール検査を実施せず、さらにおとり捜査官として当時容疑者が使っていた偽の身元のみを書類に記録していた。そのため、被害者のタンクスリー氏には事故を起こした相手の身元を突き止める術がなかったという。
 2011年5月に米紙ニューアーク・スターレジャーが実施した独自調査により、ビリングハム容疑者の実名と、同容疑者が事故と同じ時期に危険運転の罪で告発され、無給の停職処分を受けていたことが明らかとなった。その後、第4級暴行罪で起訴され現在も停職中。無罪を主張しており、刑事事件は現在も係属中である。
 スターレジャー紙の調査結果を受けて、州警察は事件の解決に力を入れることを約束した。また警察官が自動車事故を起こした際のアルコール検査を徹底し、おとり捜査官によって偽の身元が不正に利用されないよう、規定の見直しを検討するとも発表した。