アボンテ君事故受け条例 教室のドアに警報機設置

 ことし1月、クイーンズ区ロングアイランドシティーの学校から行方不明になり、イーストリバーで遺体となって発見された自閉症の少年アボンテ・オクエンド君(14歳)の事件を教訓に、学校のドアに警報機を設置するという条例案が24日、ニューヨーク市議会で可決された。
 アボンテ法と呼ばれる同条例案は、アボンテ君が誰にも知られることなく学校の教室から抜け出していたことを受け、小学校および障害児のための学校の教室のドアに警報機を設置するというもの。
 警報機を設置する学校については、市教育局(DOE)と市警察(NYPD)の判断で決める。DOEはすべての学校を調査し、どの学校に警報機が必要であるか、また来年春までの間にどれだけ早く設置が行えるかなどの詳細について報告書を提出することが義務付けられている。
 DOEは当初、条例案に反対の姿勢をみせていたが、報告書作成期限が2014年から15年へと延長されたことと、警報機を設置するか否かの判断をDOEに委ねることが同条例案に明確されたことをきっかけに、合意する姿勢を見せたという。
 同市議会議長メリッサ・ビベリト氏は同条例について、「子供達を学校に送り出す親に安心感を与えることができる」と語った。
 ビル・デ・ブラシオ市長は、満場一致で可決された同条例案に署名する考えであることを明らかにしている。