移民教師の授業が話題に ホームタウン・ヒーローにもノミネート

 クイーンズ区ジャクソンハイツのルネッサンス・チャーター・スクールで、小学校2、3年生に数学を教えるラミール・ブエナヴェントゥラ氏(44歳)がこのほど、地元のコミュニティに貢献した人物に送られる「ホームタウン・ヒーロー賞」の教育部門にノミネートされた。
 歌や踊り、ラップやミュージックビデオの作成など、思いつく限りのアクティビティを取り入れたユニークな授業が子どもたちの人気を集め、その活気と創造性に満ちた教授法が評価され、今回のノミネートに至ったという。
 同氏はクラスの大半が移民である生徒たちに「僕は教師の前に友人であり、音楽など子どもの興味のあることを通じて数学の楽しさを教えたい」と語り、独自のスタイルを貫いている。
 ラミール氏自身も移民であり、約10年前にフィリピンから渡米してきた。祖国の首都マニラでも13年間教師を務めたが報酬は低く、家計を支えるのもやっとだったという。そんな時、ニューヨーク市でマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長が、教育の質向上のために外国から教師を募集していることを知り、応募。フィリピンから渡米した169人のうちのひとりとなった。
 ニューヨーク市クイーンズ区の公立中学校で教え始めた当時の月収は、マニラで稼いでいた額の6倍であったという。
 同氏は「人生を変えてくれたアメリカに、教育を通して貢献したい」と述べた。