名物建築が不動産市場に バワリー通りの「グラフィティ屋敷」

 米紙クレインズ・ニューヨークによると、グラフィティ屋敷として有名なバワリー通りとスプリング通りの角に建つ6階建ての建物が8月6日、不動産業者RFRのウェブサイト上で売りに出されていたという。
 同建物はバワリー通りの名物とも言える存在で、何十年も前から同じ外観を保ってきた。1890年に建てられた当時は銀行のオフィスとして使用されていたが、1960年代に写真家のジェイ・マイゼル氏が10万2000ドルで購入。以来、同氏が自宅兼ギャラリーとして使用してきた。
 一時的に画家のロイ・リキテンシュタインがスタジオ・スペースを借りていたこともあるが、現在72部屋ある建物にはマイゼル氏とその家族のみが暮らしている。
 同建物は商業用物件として売りに出されており、バワリー通りにあるほかの建物と同じように小売スペースとなる可能性が高い。
 クレインズ誌の取材に対し、RFRおよびマイゼル氏は一切のコメントを控えた。
 2008年には、米誌ニューヨーク・マガジンが同建物を取り上げ「グラフィティだらけの、大好況時代の名残。古く痛んだ木製のドアは、大昔から閉ざされたままのように見える」と評した。