シーズン開幕控えた METオペラ 遂に労働組合と妥結

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 2014〜2015のシーズン開幕を来月に控え、メトロポリタン・オペラ(MET)とMETの3大労働組合の1つである国際演劇被雇用者映画機器技術者同盟(IATSE)のローカル1との間で、数カ月にわたり行われていた交渉が、定められた期限の19日午前0時を約3時間過ぎた20日午前3時15分にようやく妥結した。
 また、オーケストラとコーラスを代表する2つの労働組合とMETの間では、18日に政府の仲裁人を介した話し合いがもたれ、朝までに暫定合意に達している。
 METは近年、人件費の高騰と売上の減少に直面しており、巨額な寄付金を集めることにより何とか経営を維持してきた。
 取締役会は、「経費を削減する前提で基金を倍増するためのキャンペーンを行う」と約束。
 METの総支配人ピーター・ゲルブ氏は、「賃金の16~17%削減、医療・年金給付金の削減、就業規則の変更などを要求していたが、最終的に初めて賃金削減を勝ち取ったものの、それ以外の諸要求については結局取り下げることとなった」と述べた。
 METは「契約合意に達したことで、全米最大の舞台芸術組織が労働危機に陥る可能性がなくなった。これから始まるシーズンのためのリハーサルや準備を中断することなく続行できる」としている。