邦人留学生交通死亡事故 警察による証拠隠ぺい疑惑

 2013年2月、日本人留学生がパトカーにはねられて死亡した事件で、遺族の代理人弁護士が独自に入手したビデオにより、警察が証拠隠ぺいを図った疑いが浮上している。
 小山田亮さん(当時24)は2013年2月21日午前12時45分、クイーンズ区ロングアイランドシティーの40アベニュー、10丁目と11丁目の間を徒歩で横断中、ニューヨーク市警察(NYPD)のダレン・イラルディー巡査が運転するパトカーにはねられ死亡した。警察は当初、同巡査はパートナーと2人で緊急事態に対応するため現場に急行する途中で、赤色灯を灯けて走行していたと発表していたが、遺族の代理人弁護士スティーブ・バッカロ氏が市公共住宅局(NYCHA)から入手したビデオには、事故直前にカメラの前を通過した無灯火のパトカーと、事故直後に点灯したと思われる赤色灯の光が録画されていた。
 同氏は、①事故当時、現場には数人の目撃者がいたが、警察は目撃者から事情聴衆をせず、事故現場から追い払った②唯一の証人であるパートナーの警官ジェイソン・カーマン巡査に偽りの証言をさせた疑いがある③事故現場でのタイヤ跡の測定や事故当時のイラルディー巡査の携帯電話記録の確認がされていない―などを挙げ、警察による証拠の隠滅工作が行われたはずだと主張している。