ことし2月、大手ドラッグストア・チェーン「CVS」は10月1日付でたばこ製品の販売を終了すると発表していたが、予定より約1カ月早い9月3日に、全7700店舗でたばこ販売を中止した。また同時に社名も「CVSファーマシー」から「CVSヘルス」に変更された。
同社は、オバマケアにより全米で健康保険加入者が増え医療サービスへの需要が増加することを見込み、昨年から医療施設の補助機関として、血圧の測定やインフルエンザの予防接種などを行う予約不要の簡易クリニックの運営を開始し、その数は900に達している。昨四半期には32のクリニックを新設し、さらに年内に150以上をオープンする予定。17年までにその数を1500に増やす計画であるという。
現在、地元の病院など40以上の医療施設と提携しているが、今後はさらに提携先を増やし、同分野への進出を拡大する意向である。そのためにも、ウォルマートやウォルグリーンなどの競合企業と差をつけるべくたばこ販売の終了に踏み切ったものと考えられている。
米経済紙ウォールストリート・ジャーナルによると、「たばこの販売を終了することにより、CVSは年間約20億ドルの減収が予測されているが、クリニック部門の第2四半期の売上は前年同時期と比較し24%も増加しており、今後も成長が見込まれている」という。