長年実行されながらも思うように成果を上げることができていないニューヨーク市教育委員会の英語習得プログラム、ELL(English-Language Learners)がこのほど拡大される。
これはカルメン・ファリーニャ、ニューヨーク市教育委員会議長とミラディ・バエズ英語習得者対策委員長の提案によるもので、英語の習得に苦労している生徒のためのバイリンガル教育や多様な背景をもつ生徒たちのニーズに応えるプログラムを増やす予定だという。
しかし、内容は現在運営されているバイリンガル・プログラムなどを拡大するものにすぎず、現行のプログラムはその効果が疑問視されている。
2011年の調査によると03年に1年生だった英語習得中の生徒のうち、36%が英語検定試験に7年連続で落ちており、合格するのにかかる平均年数は5年だった。3年以内に合格できるのは全体のたわずか3割ほどで、合格に6年以上かかった生徒の70%は移民ではなく、アメリカで生まれた生徒だという。
ニューヨーク市は英語以外の言語を話すことができる生徒が在学する学校へ、生徒1人につき一定の奨励金を払っている。
キューバからの難民で、人種や米移民に関する著書のあるマイク・ゴンザレス氏は「このプログラムはヒスパニックの生徒から英語を習得する機会、またそこから繋がる未来を奪って妨害するようなもので、対策として機能していない」と述べている。