イスラム国が米仏で地下鉄テロ計画 イラクのアバディ首相が発表

 国連総会出席のためニューヨーク市を訪問したイラクのハイダル・アル=アバディ首相は25日、記者団との会見で、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」が、フランスのパリおよび米国の地下鉄を狙ったテロを計画しているとの情報を入手したと発表した。
 同首相によると、情報はイラクで拘束した複数のイスラム国メンバーの供述に基づくもので、計画の実施はイラク国内に滞在するフランスや米国などの外国人戦闘員によるものである可能性が高いという。
 米政府高官は、米機関はそのような情報を裏付ける証拠は確認していないとし、バラク・オバマ大統領がアバディ首相と24日に会談した際にも、そのような話題は取り上げられなかったと懐疑的な見方を示しているが、同首相はこの情報を、バグダッド当局からもたらされた「正確な情報」だと主張している。
 ニューヨーク市警察(NYPD)のテロ対策担当官ジョン・ミラー氏は、イラク当局からの情報を認識し、連邦捜査局(FBI)など他の機関と緊密な連絡を取りながら、情報の信ぴょう性の確認にあたっていると述べた。
 米国は先週、中東5カ国と連携した掃討作戦の空爆範囲をイラクからシリアに拡大しており、西側の指導者らは、過激派の活動が国外にも及ぶのではとの懸念を口にしていた。
 テロ攻撃の標的とされている米国内の都市名については明らかにされていないが、ニューヨーク市は、全米でもっとも大きな地下鉄のシステムがあることで知られている。