トランスウエスタン不動産と不動産調査会社リアル・キャピタル・アナリティクスによるデータ分析によると、マンハッタン区の商業不動産の価格が全米一高いことがわかった。
同区のオフィス用スペース1平方フィートあたりの価格は平均770ドルで、平均548ドルのワシントンDCよりも40%も高い。ことしに入ってから7月31日までのマンハッタン区の商業不動産売上総額は112億ドルで、カリフォルニア州ロサンゼルス市よりも61億ドル多かった。
ニューヨーク不動産業者協会の副会長マイケル・スラッタリー氏は、多くの大企業が同区にオフィスを移転する傾向にあることが、同区での商業不動産市場の高騰化の要因であるとの見方を示した。スラッタリー氏によると、「同区の商業不動産市場は2008年から回復しており、特にミッドタウンの南側で活発だ」とし、「同エリアは、古いビルを新しいものに建て替えるのに理想的なロケーションであるからだ」という。
一方、ことしに入ってからの取引件数は107件で、172件の取引があったロサンゼルス市を下回った。だが、スラッタリー氏は、マンハッタン区において技術産業が復活していることや、従来のビジネスも回復傾向にあることから、同区の商業不動産市場は今後もますます発展を続け、全米一の地位を保ち続けるだろうとの見通しを語った。