人々の健康志向が高まる中、国内でプロテイン強化食品の人気が急速に高まっているという。
過去数年間に、10社を超える食品製造業社やレストランチェーンが、プロテイン強化を売り物にした商品やメニューの導入を開始している。クリームチーズなどでお馴染みのクラフト社はことし2月、肉、チーズ、ナッツ入りのプロテイン・パックの販売を開始。米大手シリアルメーカーのゼネラル・ミルズ社は5月、プロテインを多く含んだシリアル「チェリオス」の販売を始めた。また、タコスのファーストフードチェーン店タコベルは7月に、朝食メニューにグリークヨーグルトを加え、プロテインを多く使用したブリトーやサラダの販売を開始している。
栄養価を高めるために使用されている大豆やレンズ豆、エンドウ豆などの粉末がからだに良いことは知られているが、グラノーラやシリアル、ブレックファースト・バーなどの製品には脂肪や塩分、砂糖などが多量に含まれていることが多く、それらの商品が本当にからだに良いかどうかは疑問視されている。
また、米農務省(USDA)によると、男性が1日に必要なプロテインの量は56g、女性は46gだが、米国人は平均79gを摂取しており、1日に必要なプロテイン摂取量を大幅に上回っている。
ニューヨーク大学の栄養・公衆衛生学教授マリオン・ネスル氏は、米国人の食生活にプロテインは不足しておらず、これは単なる販売戦略だとの見方を示している。