ニューヨーク州会計検査官のトム・ディナポリ氏は2日、最新の調査報告書のなかで、ニューヨーク州都市交通局(MTA)の運営する地下鉄の駅で、構造上及び建築上の問題がまったくない駅は全体のわずか11%にあたる51駅であることを発表した。
同報告書は、MTAが各駅の状態について2012年度に調査した結果を分析したもので、乗客の安全のため、問題箇所のなかでも老朽化したり破損したプラットフォームや階段を優先的に修理すべきであると指摘している。また調査対象箇所の少なくとも90%以上修理が行き届いている駅は、全体の4分の1である118駅にとどまっている。
これに対してMTAは「同調査書には、MTAが2010年より進めている駅修理の取り組みが反映されていない」とし、同局では「駅ごとに工事を始めるのではなく、地下鉄網全体でもっとも修理を必要とする場所から優先的に行なっている」と説明している。
同局側はこの取り組みの結果、「欠陥のある箇所は全体の21%にまで減少した。プラットフォームの端は、問題があれば直ちに修理を行っており安全な状態が保たれている」と報告している。
同局が先月発表した新たな資本計画では、駅の修理や改装に総額13億3800万ドルが計上されている。
ニューヨークにある100以上の駅が1940年以前に建てられたものである。