インターネット小売り大手のアマゾンがニューヨークの年末商戦に合わせてエンパイア・ステート・ビルの向かい側に実店舗を出店すると、米紙ウォールストリート・ジャーナルが関係筋からの情報として報道した。年末商戦の時期にニューヨークで店舗を開くことで多くの客を流入することが見込め、事業拡大のための試験期間ともなる。また、マンハッタン区の店舗はニューヨーク市内の即日配達とオンライン購入の返品や受取のための「小型倉庫」として役割を果たすという。
アマゾンは実店舗の小売よりも低価格で製品を提供することで、消費者が実店舗で商品を確認し、節約のために購入はオンラインでおこなうという「ショールーム購入」の流行を作った。しかし今回実店舗を構えることで自社製品の電子書籍端末やスマートフォンなどをより多くの人の目に触れさせることができる。アナリストのティム・バハリン氏は「商品を実際に手に取りたい客層はまだ存在している」という。また、即日配達できる店舗は観光客にとっても便利であり、膨大な収益を生む可能性があるとアナリストのリチャード・ドハティー氏も述べた。
アマゾンはコメントを控ており、広報のケリー・チーズマン氏は「マンハッタンに店舗を開くことは発表していない」と追加した。