2014.10.16 REPORTS コミュニティレポート

JSギャラリー 「異形の楽園:池田学、天明屋尚、チームラボ」

左から池田氏、天明屋氏とチームラボの工藤氏


 ジャパン・ソサエティー(JS)・ギャラリーでは来年1月11日まで、日本美術史に新たなページを加える、池田学氏、天明屋尚氏、チームラボの3作家の作品を紹介する展覧会「異形の楽園:池田学、天明屋尚、チームラボ」を開催している。
 11日には池田氏、天明屋氏、チームラボ代表の猪子寿之氏を招いて作品の解説が行われた。
 今回展示されるおよそ25点の作品のうち12点は池田氏の作品。これだけの作品数を集めた展示は前例がないという。2008年の池田氏の不朽の名作「予兆」は、近づいて見れば見るほど、絵の中に引き込まれてしまう。同氏の作品は細部まで緻密に描かれた細密画であるため、かなりの制作時間を要するといい、「予兆」を完成させるために2年を費やしたという。

チームラボの作品。アートの中に入ったような体験ができる


 超テクノロジスト集団チームラボの「花と人―Gold and Dark」は、本展覧会が世界初公開となる新作だ。ギャラリーの1スペースを使い、観客の動きに合わせて生死のサイクルを永久に続ける無数の花で覆うというプロジェクション・マッピング。二度と同じ映像が映し出されることはなく、その時にその人のみが体験できる作品とあり、非常に興味深い。
 赤い枯山水が設置された天明屋尚氏の展示スペースでは、同氏による初の大型作品「韻」を公開。ミラー・イメージのように反転した状態で対となる2枚の豪奢な金箔のパノラマ図は、一方は「本物の絵画」でもう一方は特殊なコピー機で〝デジタルプリントされたコピー〟であるという。これは「鑑賞者はそれが本物であっても、コピーであっても気づかない。本質を見ていない」という考えのもと、制作されたものだという。
 また、同展覧会のカタログも特別に出版している。展示作品のフルカラー・イメージ、アーティストインタビューなども含まれるボリュームたっぷりの一冊だ。展示と合わせて購入したい。

天明屋氏の作品。会場真ん中には真っ赤な枯山水があり圧巻だ

【場所】JSギャラリー: 333 E 47th St(bet 1st & 2nd Ave)
【日時】開催中〜2015年1月11日(日)
【チケット購入】ボックスオフィス:212-715-1258
【展覧会の解説ツアー】日本語/金:午後6時より
英語/火〜日:午後2時半より、金:午後7時より
※展覧会入場チケットを持っている人は無料(所要時間は約1時間)

開館時間:火〜木:午前11時〜午後6時
金:午前11時〜午後9時
土・日:午前11時〜午後5時
月・祝日は休館
入場料:一般:12ドル/シニア・学生:10ドル/
会員・16歳以下:無料
毎週金曜午後6時〜9時は無料

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