地元住民にお詫びの奨学金制度 拡張工事中のコロンビア大学

 拡張工事が進行中のコロンビア大学は17日、モーニングサイドハイツにある既存のキャンパス及びハーレム西部のマンハッタンビルに建設中の新しいキャンパスの周辺で育った、または同エリア内の学校を卒業した学生らを対象とする奨学金制度を開始すると発表した。
 これは、新キャンパスの建設により迷惑を被る地元住民を配慮してのもの。大学の拡張工事については、2007年に市議会の承認を得たが、地元住民が懸念を表明していた。市議会議員マーク・レバイン氏によると、拡張工事に伴い、同エリアでの住宅価格は急上昇し、家賃が約3倍になっており、「奨学金制度は重要であるが、十分ではない」と語っている。
 奨学金の金額については明らかにされていないが、同大学の学部生の低所得者向け学資援助額は平均年間4万2000ドルであるという。同大学は奨学金制度以外にも、住民の大学への立ち入り、地元高校生のインターンシップ制度、同大学歯学部による移動歯科診療所などの地元向けサービスも計画している。
 総工費70億ドルをかけ、125丁目と133丁目の間に建設中の新キャンパスは、約65万平方メートルで、2016年に完成の予定。
 イリノイ州のノースウエスタン大学やコネチカット州のイェール大学など、他州の貧困地域に建つ大学でも、同様の奨学金制度が採用されている。

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