感染の不安広がるエボラ熱 デ・ブラシオ市長会見も

 ニューヨークで初のエボラ熱発症例となった米国人医師クレイグ・スペンサーさん(33)が検査前に地下鉄やタクシーを利用していた件を受けて、市民の間で不安が広がっている。
 スペンサーさんは22日の夜、ウエストハーレムの自宅からブルックリン区のボーリング場まで地下鉄で移動、帰りはスマートフォンのアプリから近くを走行するタクシーを呼ぶ「Uber(ウーバー)」を利用して帰宅している。
 アンドリュー・クオモ州知事の発表によると、スペンサーさんは陽性と診断される前に婚約者、友人、タクシー運転手と、計4人と接触。運転手を除く3人は現在隔離されており、健康状態に問題はない。スペンサーさんも現在ベレビュー病院で隔離されている。
 スペンサーさんが利用した地下鉄やバス、またボーリング球から感染するのではと懸念する人も多い。しかし、エボラ熱は高熱や下痢、嘔吐、出血などの“症状が現れた人”の体液に、傷口や目、鼻、口などの粘膜などを通して感染するもので、これらを利用したのが“症状が出る前”だったというスペンサーさんのケースでは、同じ場所にいた人が感染する可能性は極めて低いといえる。
 また、24日の昼にはビル・デ・ブラシオ市長が会見を開き、「エボラ熱は極めて強い感染症であり、ニューヨークは危機に面している」としながらも、「感染者に直接触れない限り安全は保たれ、市の職員もこの問題に全力で取り組んでいる」と市民の不安の声に応えた。