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デイライト・セービング・タイムが終わる日曜日が近づくと、ニューヨークシティマラソンの季節だ。1970年に初開催されて以来、世界でもっとも規模が大きく、もっとも人気のあるマラソン大会となった同市のマラソン。参加者数が多く歴史があるだけに、さまざまなエピソードをもつ。
まずは参加人数。今でこそ、5万人を超える完走者が出るまでになったが、1970年の第1回大会では、完走者はたったの55人だった。当時は、市内の5区をめぐるのではなく、単にセントラル・パークを何周もまわるものだったという。現在のように、マンハッタン区、ブルックリン区、クイーンズ区、ブロンクス区、スタテン島の5区すべてを走るコースが導入されたのは、1977年大会以降のこと。
次は、お金にまつわるエピソード。2014年(本年度)の優勝賞金は、男女ともに各10万ドル。一方、1970年大会では賞金の支給はなく、まったく高級でないリストウォッチと野球とボーリングの球のリサイクルで作られたトロフィーの授与だけだった。その一方で同じく差があるのも、参加料金。第1回が1ドルだったのに対し、現在では250ドルかかる。
最後に、ユニークなエピソードを残すのは、やはり参加者たち。1993年にシカゴより参加したカップルが、タキシードとドレスとベール姿で参加し、コース上で結婚した。給水場の手前で止まり、誓いの挨拶を終えた後、2人は再びレースに戻っていったという。
またレースは〝走る〟ものであるが、足で走らないといけないというルールはない。1969年にベトナム戦争で両足を失ったベトナム人のボブ・ウィエランドは、1987年大会で両手で歩くことによってコースを走った。42.195キロ(約26マイル)を98時間かけて見事完走したという。
今年はどんなエピソードがうまれるのか。11月最初の週末で、スポーツの秋を満喫してみるのはいかがだろう。
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