躍りに行こう!  ディスコ・ミュージカル「HERE LIES LOVE」

【日時】開催中〜2015年1月4日(水) ※時間は日程により異なる
【場所】THE PUBLIC THEATER: 425 Lafayette St (bet 4th St & Astor Pl)
【料金】99ドル〜129ドル
【Web】herelieslove.com

  「HERE LIES LOVE」は、フィリピンのイメルダ・マルコス元大統領夫人の人生を描いたショーだ。イメルダ氏は、自分の夫が大統領だった1965年から85年までの間にアート、ジュエリーなどの巨大なコレクションを蓄積していた。また、無類のシューズコレクターとしても知られており、数千の靴を所有していたという。
 スタンディングで見るこのショーの上映時間は、一時間半。舞台が移動式になっており、観客はその舞台をぐるっと囲んで会場に入る。スタッフは皆、飛行機の整備士のユニフォームを着ており、ノリノリでダンスをしている。そして、DJが音楽をミックスしながら会場のテンションを上げていく、観客も躍り出す人が出て、会場はナイトクラブの様な雰囲気に。
 DJがショーの始まりを告げる。まず物語は、イメルダ氏が学生時代に美人コンテストで優勝するところから始まり、大統領夫人になり、ハワイへ亡命するまでをつづる。その間に、自分の幼なじみの女性に対し「自分の貧乏だった生い立ちを話さないで」と賄賂を渡すシーンや、大統領である旦那が浮気をするシーンなどがコミカルに描かれていく。シーンが変わる毎に、真ん中に設置された舞台が移動し、観客も一緒に移動する。時には、ダンスをしながら移動することもあり、観客を飽きさせない。また、舞台上で“早着替え”をする女性キャスト達の衣装はどれも華やかで綺麗だ。

 このショーの重要な要素である音楽は、70年代半ば〜80年代後半にかけて活動をしていたロックバンド、トーキング・ヘッズのボーカルのデヴィッド・バーン氏とイギリス人ミュージシャンのファットボーイ・スリムが担当している。ポップなテクノとディスコミュージックに合わせて、ミラーボールが回り、ディスコライトのような照明が会場内を照らし、会場内の熱気もどんどん増していく。舞台の展開とともに、当時のイメルダ氏の画像が音楽のリズムと合わさりながら、巨大なスクリーンに映し出される。
 観客がキャストと一緒に躍るシーンがたくさんある。これは、フィリピーノスタイルのダンスで、覚えやすいフリということもあり、観客が楽しむ姿も見受けられる。
 同ショーのキャスト達は全員、ニューヨークでは貴重なフィリピン・アメリカンであることも特徴だ。スタイルが良く、斬れのあるダンスも見どころ。
 懐かしいディスコ時代を思い出せるミュージカル、出掛けてみてはいかがだろうか?