ニューヨーク市警察(NYPD)はこのほど、マリファナを所持していても所持量が少量であった場合は逮捕せず罰金を科すのみとする麻薬検挙対策への改正案を発表した。
少量の麻薬所持で逮捕されるケースは年間数百万件にものぼり、NYPDが他の重大事件を捜査する時間を短縮している。また、今年だけでも逮捕された人のうち86%がヒスパニックか黒人であったように、検挙に至るのに警察が用いる歩行者の所持検査、「ストップ・アンド・フリスク」が人種差別の観点から論争的であるため今回の新案が発表された。
既に今年に入ってからブルックリン地区検事、ケニス・トンプソン氏は少量の麻薬所持者は不起訴処分にし、刑事問題にはしないと発表している。デ・ブラジオ市長も就任以来、ストップ・アンド・フリスクに伴う人種差別行為に歯止めをかける取り組みを重要課題に掲げているため、今回の改革案には肯定的だ。
しかしNYPDのビル・ブラットン本部長が「これからも麻薬所持者は逮捕する」と話すように、今回の改革案に批判的な人もいる。その他にも「少量」とは何グラムなのか、罰金はいくらか、罰金をとられた場合犯罪歴に記録が残るのかなど、多くの課題が累積している。改革案の詳細は市長と5人の地区検事との間で今週中に行われる会議で話し合われる予定。