邦画「最後の命」が脚本賞受賞 チェルシー・フィルム・フェスティバル
ニューヨーク映画祭の一つ、「チェルシー・フィルム・フェスティバル」が先月16日から19日まで開催され、同映画祭にて初の邦画出品となり話題を呼んでいた「最後の命(Embers)」がコンペティション部門で最優秀脚本賞を受賞という快挙を成し遂げた。脚本は、同映画の監督である松本准平氏と、脚本制作に一緒に取り組んだ高橋知由氏によるもの。
同作品は、俳優・柳楽優弥氏の約4年ぶりとなる主演作で、幼少期に凄惨な事件に巻き込まれた2人の少年がその記憶に苛まれながら別々に成長し、ある日、再会し事件に巻き込まれていくというストーリー。
原作は中村文則氏の同名小説で、第133回芥川賞受賞後に米国で「デイヴィッド・グディス賞」を日本人として初受賞している。中村氏は、プラム・ストーカー賞にスティーブン・キングと並んでノミネートされ、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の年間ベスト10ミステリーに日本人としては初となる2年連続選出されている。
同イベントのオープニングとなった16日午後6時半には、ドレス姿の女優やタキシードを着た俳優などのゲストたちがレッドカーペットを彩った。
2013年に始まり、若手の監督、プロデューサー、俳優を発掘、紹介することを目的として開催。ドキュメンタリーや長編など、さまざまな作品を紹介しており、制作・発表されることがためらわれるような作品が今後も製作されるよう、作品を手掛けるクリエイターたちを紹介することも使命としている。