宇宙飛行士、若田光一氏がNYで講演会 国際宇宙ステーション長期滞在飛行に参加して

©JAXA/NASA

 日本クラブ、ニューヨーク日本商工会議所は13日、JAXA宇宙飛行士の若田光一氏を迎え講演会を開催した。
 2013年11月7日午後1時14分(JST)、若田氏はソユーズ宇宙船(37S/TMA―11M)に搭乗し、4度目の宇宙へと飛び立ち、今回は国際宇宙ステーション(ISS)第38/39次長期滞在クルーとして約6ヶ月の宇宙滞在を行うと共に、第39次長期滞在では日本人初のISS船長(コマンダー)に就任。また、日本人最長記録となる通算宇宙滞在期間も保持している。
 若田氏は、今回の108日間の長期滞在について映像を使い解説、その後は質疑応答も行なわれた。
 普通は体験できない貴重な体験談に参加者は興味深く耳を傾けていた。時折笑いを交えながら丁寧に解説する若田氏は、親しみやすい印象だった。
 ステーション内の仕事について、ミッション中は数々の実験や観測を行っているが、意外なものとしては、タンパク質生成によるインフルエンザやアルツハイマーなどの新薬の開発も行なっているという。
 また宇宙ステーションの滞在時間は米国、ロシアに続いて日本は第3位であること、至るところで日本の製品や技術、人が携わっているということ、NASAの無人補給機シグナスの通信装置は日本製のため、ドッキング時は筑波宇宙センターが支援していることなどを説明した。
 「宇宙でひやっとする時はありますか?」という質問に対し、「念入りな準備とシュミレーションを何度も重ねることで、実際のミッション中に冷や汗をかく事体になることはない」と述べた。また、宇宙飛行士という仕事をしていて感動する点に、多国籍に仕事ができることや、日本が国際協力プロジェクトに関わることで、その組織の中に日本が入っていることなどを挙げた。
 「地球から宇宙へはおよそ6時間で到着できる」「フリーズドライの宇宙食をもどす時に使用する水や飲み水は、尿や汗から生成している」という予想を絶する話など、興味深い内容に参加者の多くは大満足のようすだった。

日本―NY間の飛行時間より、地球から宇宙へ行く時間のほうが短いと若田氏