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ジャパン・ソサエティー(JS)は19日、講演会「宗教と建築:伊勢神宮とサグラダ・ファミリア」を開催した。
神社本庁総長の田中恆清氏と伊勢神宮司庁営繕部次長の西村勝典氏が、神道においてもっとも神聖な場所である伊勢神宮の特徴について話ったのち、現在サグラダ・ファミリアの主任彫刻家を務める外尾悦郎氏が、伝説的なガウディ建築とガウディが後世に伝えたかった情熱について説明した。オーバーン大学の建築・プランニング・景観設計学部教授のイル・キム氏を司会に迎え、観客との質疑応答も行なわれた。
洋の東西を問わず古代からの建築様式には宗教の影響を受けているものが多いとされているが、文化や宗教の違いにより、どのような特徴があるのか。本プログラムでは、伊勢神宮とサグラダ・ファミリアという対照的な2つの宗教建築の専門家を招き、建築と宗教の関係について比較・考察した。
「寝殿造りの原型は何からきているのか?」という質問に対し、西村氏は「弥生時代の穀倉がその原型だといわれている。生活の糧である稲を蓄えておく穀倉がだんだんと重要性をもってきた。毎年収穫されたお米を穀倉に入れて、その収穫を祝って祭りをしていく中で、建物そのものが神格化されてきたということがいえる。その穀倉をモチーフとして今の寝殿作りができたという風に考えている」と述べた。また、大きさについては「奈良時代の文献から推測すると8世紀の中頃から現在まで、ほぼ同じ大きさだったことが分かっている」という。
外尾氏は「さまざまな文化を持つ職人たちが交流することで互いに学び、刺激し合い、いいものを造っていけるのではないか」という参加者からの意見に対し「それはこれからのテーマであり、現在いろいろなところとの交流を頻繁にしている」とし、「文化というのは違いがあればあるほど力強い。文化が同じように、すべてがひとつになったとき、おそらく文化は死ぬと思う。その違いをぜひとも次の若い世代に見てもらいたいと思っている」と語り、講演会を締めくくった。
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