米高級デパートのサックスやロード・アンド・テイラー、カナダのザ・ベイなどを所有するハドソンズ・ベイ・カンパニーの最高経営責任者リチャード・ベイカー氏は24日、マンハッタン区5番街にあるサックス・フィフス・アベニュー本店の資産価値が約40億ドルであると発表した。
同社が、同店舗の建つ土地を抵当に12億5000万ドルの融資の借り換えを行ったところ、同社が昨年、同店舗を購入するにあたり支払った29億ドルを大きく上回る、37億ドル(1平方フィートあたり5700ドル)の資産評価額と算定された。これで同店舗は、全米でもっとも価値のある小売店舗の1つとなった。
この発表を受けた同日、同社の株価は8%上昇し、19.32ドルの値を付けた。ベイカー氏は声明の中で、「伝えたいことは、マンハッタン区の一等地の不動産価格が限度を超えて上昇していること」と語った。
不動産調査会社リアル・キャピタル・アナリティックスによると、市の最上クラスの小売店舗の価格の上昇は、観光客の増加、外国からの投資、裕福な米国民によるもので、1平方あたりの価格は前回の不動産ブームの時よりも20%上昇しているという。一方で、一部の専門家は、借金を原動力にした2007年のにわか景気の頃がピークであり、市の不動産価格はこれ以上上昇することはないだろうと予測している。