ニューヨーク市で、タクシー業を営むために必要な営業許可証(メダリオン)の価格が下降し続けていると米紙ニューヨークタイムズが伝えた。
過去数十年の間はメダリオンの発行数は限定されているため、その価格は上昇を続けてきたが、ここ2年間にみられるスマートフォンアプリを使ったタクシー配車システム「ウーバー(Uber)」など競争相手の出現や、マンハッタン区以外で営業するグリーンキャブの導入が、メダリオンの需要減少を招き価格の下降へとつながったものとみられている。
個人タクシーのメダリオンの価格は、2013年のピーク時の105万ドルから80万5000ドルへと23%値下がりし、法人メダリオンに至っては、ピーク時から28%減の平均95万ドルで取引されているという。
市のタクシーメダリオン所有者を代表する団体「タクシー安全委員会」の委員長ツイープス・フィリップス氏は、「タクシー・リムジン委員会は、イエローキャブ以外の新しいタクシーサービス業の規制を開始し、イエローキャブが長年遵守してきたものと同じ規定を適用するべきだ」と主張している。
シカゴやボストンでは、住宅危機の影響により、メダリオンの取引数自体が減少し、13年下半期には225件だったシカゴでのメダリオン取引数は、昨年同時期にはわずか11件に減少しているという。