ニューヨーク市の飲食店がテイクアウトなどに使用する発泡スチロール容器の使用を禁止する条例が7月1日より施行開始となることを8日、米各メディアが伝えた。
複数の環境保護団体が長年にわたり、食品や油で汚れた発泡スチロール容器がごみ廃棄場に蓄積され環境汚染を招くことでその使用禁止を訴えていたが、発泡プラスチック製造業大手ダート・コンテイナー(ダート)社や、市職員や市議会議員へのロビー活動を行ってきた米科学工業協会による激しい反対にあった。
マイケル・ブルームバーグ前市長は、2013年の施政方針演説で、発泡スチロール容器を禁止する条例案を発表したが、ダート社は、発泡スチロールはリサイクル可能であると主張。市議会は同年12月、使用済み発泡スチロールを経済的に実行可能な方法で回収、リサイクルし、再販売が可能であることを市衛生局長に証明するための1年間の猶予期間を与える案を可決させた。だが市議会は7日、同素材はリサイクル不可能で、これを販売する既存市場が存在しないことを発表し、条例成立が確定した。
違反者への罰則適用は2016年1月から。非営利団体又は年商50万ドル未満の飲食店は、他素材の容器を購入する経済的余裕がないことを証明すれば、免除申請ができる。