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マンハッタンの老舗チョコレート店「ライラック・チョコレート」は昨年10月、ブルックリン区サンセットパークの商業スペース「インダストリーシティ」へ工場を移転した。同スペースはかつてはさびれた倉庫街であったが、再開発され新たなテナントの入居が続いている。
米メディアによると、地域住民の雇用にもつながる同スペースのオープンだが、地域住民すべてが歓迎したわけではなかった。同地区にはラテン系の住民が多く、その住民グループ、アップローズのディレクター、エリザベス・インピエーレさんは、ライラックの移転を「地域を再開発し、高級化する(ジェントリフィケーション)象徴」といい、自身のフェイスブックで地域住民にボイコットを呼びかけた。
インピエーレさんは「この地域はブルーカラーの人々が住む街。高級店が入居し、ダンボやチェルシー地区のようになれば、地元の商店が廃れ、地域が変貌してしまう」と危機感を募らせる。
しかし、地元商店組合の代表者レネー・ジョルダーノさんは「今のところ、インダストリーシティの商品と地元の商店は競合しておらず、地元のカフェにケータリングの注文が入るなど良好な関係が続いている」と話している。
また、地域住民組織の代表者も「ジェントリフィケーションは市内各地で起こっており、街が変化していくのは当然のこと」と新たなビジネスが地域へ転入することを歓迎している。
ライラック・チョコレートは高級住宅地として知られるウエストビレッジに店舗があり、「高騰する賃料に耐え兼ねて同地区への移転を決めた」ため、ある意味ではジェントリフィケーションの犠牲者でもある。このためライラックの共同オーナーは「まさか自分たちがボイコットの対象になるとは」と困惑を隠せないでいるという。
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