最低賃金を7ドルに サービス業、NY市が検討中

 飲食店のウェイターやウェイトレス、ホテルの清掃員など、客からチップを受け取るサービス業に携わる従業員の最低賃金を7ドルに引き上げるよう、ニューヨーク州賃金委員会が検討していると米メディアが報じている。
 現在、州が定めた最低賃金は8・75ドルであるが、チップがもらえる職業は最低賃金の規定外となっているため、サービス業従業員は最低賃金以下で働くことが認められている。レストランのウェイターである場合、基本賃金は5ドルで、その他の従業員は5・65ドルとなっている。これを受けて労働団体はチップ賃金制度を廃止し、サービス業の最低賃金を他の職業と同じ8・75ドルに上げるよう主張している。
 州賃金委員会の会員であるピーター・ウォード氏は「チップ賃金制度は不公平だ」と述べている。一方で、同じ委員会のメンバーでニューヨークビジネス協会の代表も務めているヘザー・ブリセッティ氏は「従業員の賃金の底上げは人件費の増加に繋がり、経済に悪影響をもたらしかねない」と懸念を示しているという。
 経営者側と従業員側の主張が食い違い、会議では意見がまとまらなかったため、グリッペン議長によってサービス業の最低賃金を7ドルにする制度が提案された。時給7ドル制度の提案書は来月にも提出され、次の会議で検討される予定だ。

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