料理も筋トレも、毎日の積み重ね
大阪出身、15歳から進学のためハワイへ渡り、LAなど全米各地での生活を経て米国暮らしは20年以上という道姓さん。料理人への道はLAでの貧乏生活がきっかけだったという。早くから親元を離れ自炊をする生活に入っていたが、友達も増えると大勢で集まることが多くなり、当然皆で食事を共にする回数も増えた。ただ、毎回お金のかかる外食というわけにもいかず、そこで思いついたのが皆から少しずつお金を集めて料理を作るということだった。楽しみながら作っていたという同氏が振る舞う料理を、仲間たちは毎回笑顔で食べたという。
本格的にこの仕事に着いたのは2000年。LAの老舗「安芸レストラン」から始まり、有名無名問わず多くのレストランを渡り歩き、経験を積んだ。ニューヨーク行きが決まると、すべての荷物を車1台に詰め込んで、10年住んだLAを後にした。現在はハリウッドセレブもお忍びで通うグリニッチビレッジの「そば居酒屋 だるまや」でエグゼクティブシェフとして腕を振るい、キッチンをまとめている。
趣味は格闘技と音楽。料理も筋トレも、毎日コツコツと経験を重ねることが大事とのこと。仕事柄三ツ星レストランを含めいろいろな店を食べ歩くが、プライベートでは「杉山」と「鳥心」などがお気に入りだという。ゆったりとした口調ながらバリバリの関西弁で話す姿が何ともチャーミングだ。温厚な性格だというが、「怒ることはありますか?」と聞くと、「ありますよ。仕事の時は厳しいですから」と笑顔で答えた。
シェフのとっておき
「高村の筋引き包丁とKorinの牛刀」
昔お世話になった親方に「ナマクラ包丁は駄目だ」とよく言われましたが、ようやく自分の第三の手となる包丁に巡り逢えました。手作りの打ち下ろしです。