ニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長は12日、ニューヨーク市警察(NYPD)の警官が、背後から腕で相手の首をしめる「チョークホールド」を行使することを違法とする条例案が市議会で可決した場合、拒否権を行使しこれを覆すとの考えを明らかにした。
市長が同条例案に対する拒否権行使について表明したのは、警官がチョークホールドを行使した最近の10件の事例に関する第1回目の報告書を警察検査官が発表した翌日。報告書に記されたいくつかの事例で、警官は口頭での抵抗にあった際の最初の行動としてチョークホールドを行使していた。
血液や酸素の流れを止める恐れのあるチョークホールドの行使は、1993年以来警察の方針により禁止されている。同報告書および市民苦情審査委員会による昨年の報告書は、たばこ違法販売の嫌疑を受けたエリック・ガーナーさんがスタテン島の路上で、当時NYPDの警官だったダニエル・パンタレオさんにチョークホールドを行使され殺害された事件を受け、発表されたもの。
同条例案は、クイーンズ区を代表する民主党市議会議員ロリー・ランクマン氏が起草したもので、警官によるチョークホールドの行使を軽罪とし、実刑や罰金処分を科すことを可能にするというもの。51人の市議会議員のうち29人が支持を表明しているという。