日銀の異次元緩和以来、お金がジャブジャブ刷られている現状から投資の重要性は今まで以上に高まっています。もちろん、投資にはリスクが伴います。ですが、「投資をしないこともまたリスクであること」と考えない人は多く、例えば一般的に元本保証のある預金は安全とされていますが、
預金にもリスクはあります。
第一にインフレです。物の値段が上昇するインフレはお金の価値がどんどん下がります。100万円を日本の普通預金の平均金利である、0・02%で回すと、一年後には200円増える計算ですが、もしインフレ率がそれを上回り、1%上昇すると100万円で買えたものが101万円になります。単純計算で差し引き9800円損しているということです。上記の例はインフレを1%としていますが、8月29日公表の直近インフレ率は3・4%でした。預貯金は通帳に記載される数字は減らないものの、インフレの場合、実際には目減りする
リスクがあるのです。
第二に金利です。前述のインフレにも関連していますが、日銀の低金利政策と長期国債買い入れが長期金利を押さえつけている限り、預金金利の上昇も限定的です。
第三に円安です。 円安の時は輸入商品の価格が上がります。例えば、ドル円のレートが100円から120円に上がるとします。すると、今まで100万だった物品(小麦粉、原油、ブランド物のバッグなど)の輸入価格が120万円に値上がりします。その値上がった分のコストは消費者が負担しますので、その結果支出が増え、家計を苦しめることになります。また、円安は物品だけでなく、円建ての金融資産の価値も落ちるため、海外への引越しや旅行などは今まで以上に高
く付くことになります。
その他にも口座をもっている銀行が潰れる信用リスク、定期預金の場合は口座から出金したい場合でも満期日まで出来ない、あるいは中途解約手数料が高いと言った
流動性リスクなどがあります。
以上があまり知られていない預金のリスクですが、日銀の金融緩和政策により今後このようなリスクは加速度的に上がり、また長期間続くのは間違いないです。そのため、預貯金以外の金融緩和政策に強い他の金融資産に分散投資をすることが重要です。また、預貯金でも外貨建てなら、これらのリスクを軽減することができます。次回のコラムでは金融資産の一部を外貨建てで保有するメリットの説明をしたいと思います。
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