公営住宅でねずみが氾濫 積もる住民の不満

 ニューヨーク住宅支援局が運営する公営住宅でねずみが大量発生しているのにも関わらず、市が住民の駆除要請に応じず、対応を遅らせている。
 問題が起きているのはアッパーウェストサイドにあり、低所得者向けに建てられた公営住宅、ダグラス・ハウス。そこの住民は長年仮住宅を転々としてきたため、安定した住宅への入居を心待ちにしていた人が多い。しかし、昨年引っ越してきた夫婦は入居したその日に風呂場でねずみの死骸を見つけたと話している。その他にも窓が割れていたり、壁にねずみが出入りする穴があったりなど、とても住める環境ではないという。
 ダグラス・ハウスの住民は幾度もニューヨーク市衛生局および住宅支援局にねずみ駆除の要請をしているが、聞き入れられていない。両団体からは「ゴミ処理を適切に行い、住宅の周りの清掃を徹底するように」との指示が出されたが、住民は「それらはもう既に取り組んでいる」としている。
 市は地下鉄などでのねずみ対策を実施しているものの、公営住宅での駆除には取り組んでいないため、住民の不満は募るばかりだ。最近になってマーク・レビーン市議が視察を行い、ゴミ箱用のふたを導入する案などを発表したが、住民からは「もっと根本的な対策を」との声が上がっている。

ニューヨークでは今や高級住宅地にもねずみが蔓延している