ニューヨーク市では近年、ホームレスの数が記録的に増加し、市により住居を与えられた元ホームレスの多くが条例に違反する危険な住居で暮らしているという。
ビル・デ・ブラシオ市長が昨年就任した当時、5万3615人だった市のホームレスの数は現在10%増加している。市が発表した昨年12月中旬までのホームレス人口調査では、5万9068人がホームレスシェルターを利用しているとの結果が出たが、ホームレス支援団体の調査では6万352人に達していた。この中には2万5000人の子どもが含まれるという。
ホームレスの数を削減するため、市はホームレスを定住用の住居に入居させているが、これらの住居は「指定住居」と呼ばれる古く危険な建物で、その多くが天井の崩壊、ボイラーの故障、含鉛ペイントの使用、ねずみやゴキブリのまん延など、何らかの条例に違反している。
市長は、一昨年の市長選キャンペーンで、このような指定住居の使用を中止すると公約していたが、市長が就任した14年に2918戸だった指定住居の数は3143戸へと8%増加しており、昨年12月31の時点で、市の224戸の指定住居で6767件の深刻な条例違反が見つかっている。
アンソニー・ショリス副市長は、「改革は進行中だ。今年末までには、シェルター利用者数の大幅な減少が予測されている」と語った。