雑誌界の優秀賞を決める全米マガジン賞、通称エリー賞が2日に開催され、ワン・ワールド・トレード・センターにオフィスを移転した「ヴォーグ」が年間最優秀賞を獲得した。
ABCニュースの人気キャスター、デイビット・ムア氏を司会に迎え開催された授賞式では24部門別に賞が授与され、年間最優秀賞を獲得したヴォーグをはじめ、コラム賞にはライターのジェームズ・ベリーニ氏が全力を注いで書いたと話すアフガニスタン考古学者を題材にした記事「愛と破滅」、動画賞には「イスラム国」と題したビデオを作成したメディアン・ダイリエ氏がそれぞれ輝いた。また、専門誌部門は「ザ・ハリウッド・リポーター」が受賞し、ジャニス・ミン代表は「オスカー候補者にはなれなかったが、雑誌界のオスカーを受賞できて光栄」と冗談まじりに話した。
なお、「ニューヨーク・マガジン」と「ニューヨーカー」は最多の3賞を受賞した。その他にもオンラインサイエンス雑誌の「ノーチラス」に新人賞が授けられるなど、今年は紙媒体だけでなくデジタル雑誌も注目を浴びており、マイケル・シーガル編集長は「2年前に創刊した時は想像もできなかったほど成長した」と喜びを表した。
一方で、授賞式でもっとも喝采を浴びたのは同時多発テロや中東地域の紛争などを30年に渡り取材してきた「タイム」誌の専属カメラマン、ジェームズ・ナッチウェー氏。同氏は受賞に関して、「写真を通して現実を知ってもらえたら」と述べている。