出火原因の作業員、911通報せず NJ高級アパートの大火事 

 ニュージャージー州エッジウォーターの高級アパート「ザ・アバロン」で先月起きた火災事故で、出火原因とみられている工事を行っていたメンテナンス作業員が出火後、911に報告していなかったことが明らかになった。
 先月21日、メンテナンス作業員2人が同アパートの配管修理を行っていたところ、使用していた溶接工具より出火。火はおよそ7時間燃え続け、1000人を超える住民が家を失った。
 当初、作業員が出火後すぐに911に連絡せず、15分が経過してから通報したことが火災が大規模に広がった原因と考えられていたが、消防署の記録により、作業員は1度も911に連絡していなかったことが判明した。消防隊が出動したのは、同アパートの自動火災警報システムが作動したためだった。
 火災の翌日、エッジウォーターのウィリアム・スキッドモア警察署長は記者会見で、「消防隊の到着の遅れと、建物が木造であったことが火災が広がった原因である」と語った。
 この大火事で家を失った元住人らは、不動産業者アバロン・ベイ・コミュニティーズ社を相手取り、ビルの構造、メンテナンス、運営についての過失を理由に集団訴訟を起こしたと伝えられている。
 大リーグ球団ニューヨーク・ヤンキースのアナウンサーであるジョン・スターリング氏も、同火災により家を失っている。