カリフォルニア州からはじまり、全米で大流行しているはしかの広がりが収まらない中、予防注射済みか不明な大人の間で不安が広がっている。
今や14の州で感染者が確認され、新たにニュージャージー州でも乳児一人に陽性反応が出るなど、驚異的な速さで全米に拡大しているはしか。米国においてはしかは、事実上収束状態にあるとされていたため、これまで海外渡航歴のある人のみが感染を恐れる病気だったが、9000人を超える子どもたちが予防接種を受けていない今、感染の脅威が浮上している。
特に子どもの頃に予防接種を受けたかどうかが分からない大人は要注意だ。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、1957年以前に生まれた人の95〜98%は幼少期にはしかに感染しており、免疫があるため心配する必要はないという。しかし、57年以降に出生している人の場合でも、CDCのマイケル・セネット報道官は「初期の頃の注射は不活性化した病原体を使用していた」と説明しており、68年以前に投与されていた予防接種は効果が見られなかったため、今一度予防注射を受けた方がいいと注意をうながしている。
また、はしかの予防注射は89年以降2回接種するのが通例となっており、感染の可能性が高い医療関係者や頻繁に外国を訪れる人には出生年を問わず再接種を進めている。