NY周辺地域の危険な踏切 事故多発箇所も多く

 今月3日、ニューヨーク州ウエストチェスター郡バルハラ近くを走行中のメトロノースハーレム線の電車がSUVと衝突し6人が死亡する大事故が発生したことを受け、鉄道の踏切がはらむ危険性についてあらためて注目が集まっている。
 米連邦鉄道局は踏切の地理上の物理的特性とこれまでに起きた事故を統計分析し、「事故予想数値」を算出している。これによると今回の事件現場となった鉄道と道路が同レベルの高さで交差する平面交差踏切は、踏切の中でももっとも危険な部類に属しているという。
 米紙ニューヨークタイムズは今回の事故を受け、ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット各州にある同予想数値の危険度がもっとも高い踏切上位10カ所を検証した。
 そのひとつニュージャージー州エルムウッドパークにある踏切は、ミッドランド・アベニューとニュージャージー・トランジットの線路が鋭角に交わった平面交差踏切だ。2012年まで地元の警察署長を勤めたドン・イングラセリーノさんは、30年前息子の乗ったスクールバスが踏切で立ち往生した出来事を今でも鮮明に覚えていると話す。
 その時は遠足に付き添う親たちがバスを押し出し危うく難を逃れたが、その後も数々の踏切事故現場に職務で立ち会うことになった。
 同踏切では1975年以来29回の事故が発生し、2人の死者を出しているという。