低家賃のテナントにいやがらせ 州と市が悪質家主取り締まり 

 ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン検事総長とビル・デ・ブラシオ市長は19日、州と市共同でテナントハラスメント防止特別委員会を結成し、安い家賃で暮らすテナントを悪質な手口で追い出そうとする家主の取り締まりを実行すると発表した。
 物件の価格が上昇し続けている市の不動産市場では、現在よりも多くの家賃収入を得ようと、法で規制された安い家賃で入居しているテナントに違法ないやがらせをして追い出そうとする家主が増えている。特に、高級化が進んでいる地区でこれが顕著であるといい、州検事局は過去18カ月の間に200件を超える家主による「意図的ないやがらせ」についての苦情を受理した。また、その多くがブルックリン、マンハッタン、ブロンクスの3区で起きていた。同局は昨年、例年の3倍にあたる10件の申し立てに調査を行った。
 州住宅・地域再開発局、市保健局、建築物・住宅保存局などは、多くの申し立てについて既に調査を開始している。調査は、工事停止命令やアスベスト封じ込め工法を無視して工事を行っている物件を対象に進められた。
 マンハッタン区に2000室を所有するある家主は、テナントを追い出すため、テナントを相手取り根拠のない訴訟ばかり起こしているという。また、嫌がらせのためボイラーや換気装置を撤去したり、元警官を雇いテナントを脅迫した家主もいるという。