ニューヨーク市教育局はこのほど、市の公立校のカフェテリアで提供する鶏肉を無投薬飼育のものに切り替えていくことを発表した。早ければ2016年春から導入される予定。
学校支援活動局の局長エリック・ゴールドシュタイン氏は、「健康的で美味しいランチを生徒に提供するために重要なことだ」と語った。工業化された農場では、家畜に抗菌および成長促進剤として抗生物質入りの飼料を与えているが、米疾病対策センターやその他の団体は、抗生物質の乱用は薬物耐性菌を生み、抗生物質で飼育された食肉を食べなくても、土壌や大気、水の中に流出した耐性菌が人体に害を及ぼすと警告してきた。鶏肉は、1日62万6000食提供される市のランチメニューの内、もっともよく使われる食材で、昨年は1500万ポンドが消費されている。
市の公立校は、昨会計年度に2700万ドルを鶏肉の購入に費やしているという。同市は、ロサンゼルス、シカゴ、マイアミ、ダラス、オーランドと共に、アーバン・スクール・フード同盟を結成し、高価な無投薬飼育の鶏肉を安く購入できるよう努める。
同盟が業者との間で昨年12月に交わした調達契約によると、学校で提供される鶏肉は、動物由来成分や抗生物質を与えず野菜だけで飼育され人道的に育てられたものに限ると規定されている。