ニューヨーク市でタクシー運転手の免許試験の問題見直しが行われ、従来試験内容の多くを占めていた、市内の道路知識に関する問題が大きく削減されたことが分かった。
これまでの試験では、主要な観光地や道路だけでなく、あらゆる通りや抜け道、一方通行、さらに渋滞時に関する知識を問う問題などが多く出され、免許取得を目指すものにとっては頭の痛い内容であった。しかし見直し後は、こうした道路知識の問題は全80問中わずか10問に削減されたという。
同市タクシー・リムジン委員会の広報担当アラン・フロムバーグ氏は、今回の変更について「今やGPS機能のおかげで道路の知識は以前ほど重要ではない。かわりに改正では安全知識に関する問題を増やした」と説明する。
一方で関係者からは、オンライン配車サービスの「ウーバー(Uber)」や「リフト(Lyft)」といった競争相手の出現が問題見直しの大きな動機だとする声も聞かれる。
タクシー業界は近年運転手の不足が大きな悩みとなっており、一つの要因として、オンライン配車サービスの運転手は免許取得や道路の知識を学ぶ必要がないためだと考えらている。その対策案として、難解とされてきた道路の知識の問題を減らし、試験をより合格しやすい内容に変更したという。
実際、変更後は合格率が20%上昇したとニューヨーク・タイムズは伝えている。