ニューヨーク市の地下鉄は快適とはほど遠く、途中で止まることも珍しくないが、中でも7番線は最近特にひどいようだ。ラッシュ時の乗客の積み残しは日常的に見られる風景で、信号トラブルによる遅延も頻発、さらに今年だけで週末の運休は既に8回を数えいる。
業を煮やした市議会多数党院内総務のジミー・バン・ブレイマー議員は、ニューヨーク州都市交通局(MTA)に対し、地下鉄の遅延や運転停止、信号障害について各線のデータを提出するよう要請した。また、同議員は「7番線で通勤している市民の多くは、遅刻が重なり解雇につながると考えている」と訴えている。その他、非営利団体ストラップハンガーズ・キャンペーンが昨年7月に発表した調査によると、同線の車内は混雑していることが多く、適時運行率がもっとも悪い線の一つであるとの結果が出されている。
これに対し、MTA広報担当のケビン・オーリツ氏は「7番線は現在通信システムの工事を進めており、完了後は混雑緩和や増本が可能となる。乗客には迷惑を掛けるがもう少し待ってほしい」と話している。
しかしMTA諮問(しもん)委員会のビル・ヘンダーソン委員長は「地下鉄の問題の多くは乗客数が現在の運行能力に追いつかないことからきている。また利用者は深夜にも増加しており、補修のための運休も大変難しい」と話し、問題解決の道のりが遠いことを示唆した。