番組収録現場でうっかり自白? 不動産王の御曹司、殺人容疑で逮捕  

 ニューヨーク市の大手不動産会社ダースト・オーガニゼーションの御曹司が14日、ルイジアナ州ニューオリンズで殺人容疑で逮捕された。
 ロバート・ダースト容疑者(71)の妻キャサリンさんは1982年から行方不明になっており、同容疑者の事件関与が疑われていた。2000年12月に同事件の捜査再開が発表された約1カ月後、ダースト容疑者の大学院時代からの親しい友人スーザン・バーマンさんが、カリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で後頭部を銃で撃たれ殺害された。同容疑者はこの事件でも関与が疑われたが、これも起訴に至らなかった。01年9月28日にはテキサス州ガルベストンで男性を射殺し、遺体を切断後遺棄した容疑で起訴されたが、正当防衛を主張し無罪を言い渡されていた。
 しかし、容疑者を追った6部作のドキュメンタリー「ザ・ジンクス」を制作していたテレビ局HBOのプロデューサーは、同容疑者がバーマンさんへ宛てた手紙の書式がバーマンさんの死亡直後、警察に届いた事件を密告する匿名の手紙と似ており、“ビバリーヒルズ”の綴りが同じように間違っていたことを突き止め番組内で追及したという。
 質問に答えずマイクを付けたまま洗面所に行った同容疑者は、「おれが何をしたって?もちろん、全員殺した」などとつぶやいた独り言が録音されていた。これは15日に放映され、全米で波紋を呼んだ。これを受け16日、ロサンゼルス郡裁判所が逮捕令状を発行した。