株式市場が上昇している現在、投資信託を広告などで見かけることも多くなったと思います。特に日本においてはその傾向が高く、NISAの影響が大きいでしょう。
そもそも、投資信託とは何かというと、多数の投資家からお金を集め、ファンドで一括運用し、利益を分配するものです。投資信託にはアクティブ型とパッシブ型(インデックファンド)の2つがあります。アクティブ型はその名の通り、運用のプロであるファンドマネージャーがアクティブに自身の分析や判断から投資をします。インデックスファンドはファンドマネージャーが大きく介入せず、元となるインデックス(例えば日経225指数やS&P500指数など)を模倣し、値動きを再現しようとします。そのため、ベンチマークである指数を上回るリターンを出すことは無いですが、下回ることもありません。
インデックスファンドの利点としては日々の投資を担う運用者がないことから、コスト面が低いことです。デメリットは市場が大きく下がった時も下落から守られないということです。近年においては特にインデックスファンドの人気が高まりつつあります。その理由はやはり、運用手数料などがインデックスファンドよりも高いのと、多くの場合、リターンがベンチマークの指数を下回っているというのが大きいでしょう。
さらに見落としがちな点としては、広告などに記載されているファンド全体の平均リターンが現実よりも高くなっていることです。なぜかというと、それは生存バイアスが原因です。生存バイアスとは今まで存在した数多くのファンドの内、生き残っているもののみが抽出、評価され、リターンが優れず、無くなったり償還されたファンドが計算に入っていないことです。そのため、評価にバイアスがかかり、リターンは現実よりも高くなります。
このバイアスは日本ではもっと顕著です。というのも、アメリカの場合は現存するファンドのうち、10年以上の運用をしているファンドが半分以上を占めますが、日本の場合は5%程度なのです。毎年毎年、数多くのファンドが償還され消えていくのです。これは芸能界で多くの俳優や歌手が非常に成功していて、華やかに見える裏で数多くの無名が消えていき、だれもその存在を知らない現象と似ています。そのため、投資信託に投資する際はリターンだけを見て、単純には決めず、自分の考えで決めるのが良いでしょう。