ブルックリン区のアートディラ―が、盗品であることを知りながら観音像3点50万ドル相当を売却した疑いがもたれ、数日中に逮捕される予定だという。
ナエフ・ホムシ被疑者は2012年6月、金銅製の13世紀の仏教のサンバラ観音像を委託品として受け取った。専門家を雇い、像の所有権を調査させたところ、ネパールの首都カトマンズのイツム・バハル寺院から1983年に盗まれた観音像にほぼ間違いないとの報告を受けたが、2013年2月、北京の買い手に37万ドルで売却した。
同年3月には、千枚岩製の11世紀のヒンズー教のナラシンハ観音像を7万ドルで売却。この像は、盗品または発掘されて間もない美術品の特徴である泥で覆われていたという。同月のアジアウィーク期間中、被疑者は9世紀のヒンズー教のバイラバ観音像をアッパーイーストサイドのギャラリーに展示したところ、これが盗品であると知らされたが、翌日ロンドンの買い手に売値の半額以下の7万ドルで売却した。
国土安全保障省と共同で捜査を進めていたマンハッタン区検事局は25日、違法売却による売り上げが振り込まれたホムシ被疑者の会社マイトレーヤの銀行口座を凍結するよう、同区高位裁判所民事部に申し立てた。
当局はホムシ被疑者の後ろに組織が絡んでいるとにらんでおり、捜査を続ける意向だ。